改めて考える「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」の秘密
先日、前家族ケア研究所のファシリテーター養成コースで学んだ皆さんが集まり、交流会を開催したことは、このブログでもお伝えしました。
その交流会に参加してくださった方が、当日の感想をこのように語ってくださいました。
「久々に自分達が初めて家族看護に触れた時の喜びみたいなものを感じてしまいました。
なんというか、終了後の参加者みなのなんとも言えない顔…。昔、『これからは家族看護だ!!』と思った時と同じ情景でした。」
また遠方からお越しになった他の参加者が、
「以前にとても悩んでいた事例を検討してもらったときの、あのスッキリした感じがいまだに忘れられずに、今日、来ました。
上司や他のスタッフに相談しても迷路から出られずにいたのに、この場で皆さんに検討してもらたら、本当に目の前が晴れて、気持ちも軽くなりました」
とおっしゃったのが鮮明に記憶に残っています。
以前にずっと続けてきた「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」による「困った場面課題解決シート」を用いた事例検討。
「スッキリする」
「気持ちが晴れる」
「これだ!と思う」
「なんともいえない笑顔になる」
参加者の方にそんな変化を引き起こす秘密はどこにあるのでしょう?
一言でいうと、現象の見え方が変わるということなのだと思います。
「シート」に導かれて「困った」と感じている現象を分析していくと、よりはっきりと登場人物個々のストーリーが立ち現われ、そして登場人物全体の関係性が見えてくる。
森で例えるならば、一本一本の木々の輪郭がはっきり見えると同時に森全体の構造が浮かび上がってくる。
漠然としていてぼんやりとしか見えなかったものが見える喜び。
一部分に目が奪われて四苦八苦していた自分が、高台に上って全景を見たときの驚きと喜び。
そんな驚きや喜びをもたらしてくれるのが、「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」の魅力なのかもしれません。
その場の状況、登場人物の感情、願い、価値観、それぞれの関係性、そして組織の体制。
諸々のものが複雑に絡み合う現場のなかで、ふと足をすくわれて方向性を見失いそうになる私たち。
交流会に参加してくださった方々の声を改めてうかがい、方向性を見失いそうになったときに、もう一度態勢を立て直す道具として、多くのケアする人に届けたい、届けなければと改めて思っています。
一緒に進みましょう。