ケアする人をケアする

介護・育児中のご家族、それを支える専門職、そんな「誰かをケアする人」のケアを考えます。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

相手の強い感情、言葉に怯みそうになるとき

調べもののために少し前の雑誌のページをめくっていたら、訪問看護師さんが書かれた記事に目がとまりました。 「あんたたちが来たってやっぱり何かあれば救急車よ」「看護師に何ができる?」「血圧を測って僕の何がわかるの」「お金かかるんでしょ」「俺のつ…

「家族看護」という言葉をご存知でしょうか?

「家族看護」という言葉をお聞きになったことがありますか? 「家族看護」とは、病気や障害とともに生きる当事者(患者さん)だけではなく、有形無形の影響を受けて支援を必要としているご家族を、「ご本人とともに丸ごとサポートしていきましょう」という考…

メッセンジャーナースをご存知でしょうか?

以前、乳がんを体験した友人が、主治医との関係にとても悩んでいました。 乳がんという診断に驚き、戸惑い、ただ、「温存できる」という医師の言葉に救われ受けた手術。 しかし術後、彼女は打ちのめされました。 ハーフサイズになってしまった不揃いな胸がど…

ケアする人のケアの会からのお知らせ

「ケアする人のケアの会」より、来年上半期の以下のようなイベントを告知させていただきます。 ①渡辺式事例検討会in関西 日時:2月23日(土) 午後 場所:滋賀県立総合病院 懇親会あり 主催:「渡辺式」家族看護研究会関西支部 会長 松本修一(家族支援CNS…

ダブルバインドをどう生きるか

昨日のブログ記事で、若いナースのコミュニケーション能力が低下したと認識されている背景、ダブルバインドについて書きました。 つまり、ナースが働く組織のなかでも、「仕事を効率化し、残業はしない」と指導される一方で、「患者さん・家族とはしっかりと…

若いナースのコミュニケーション能力は低下しているのだろうか?

ここ数年、ナースの教育担当者から、「若いナースのコミュニケーション能力が年々低くなっている」という声をよく耳にするようになりました。 まず今どきの若者は、患者さんや家族と当たり前の世間話をすることが難しく、何かにつけて今一歩の踏み込みが足ら…

医師のバーンアウト

もう、40年近く前のこと。 看護師の国家試験に合格したその年、私は学校に通いながら看護師の夜勤のアルバイトを始めました。 当時は、ナースステーションではなく、「看護婦詰め所」。 その詰め所でのこんな会話を、今でもはっき覚えています。 「〇号室の…

看護師と医師との関係性

昨日、親戚のお見舞いに行ってきました。 患者さんは90歳。 10日前に誤嚥性肺炎で倒れ、救急搬送されたそうです。 1週間というもの、38度後半の熱が続き、酸素を吸入しつつ点滴やモニターにつながれる日々。 一時は、危険な状態と伝えられ、家族が病室に呼…

ケアする人こそケアされなければならないと痛感した日

昨日、父が入院する前に生活していたサービス付き高齢者住宅に立ち寄りました。 用事を済ませ、ホールでエレベーターを待っていると、80歳代後半と思しきご婦人が話しかけてきました。 「私、まだお食事いただいていないんですけど・・」 白髪のその人は、本…

良いナースのひとつの条件

前回に引き続き、浜田晋先生のご著書から。 白内障の手術をしてくださった、まだ若い女医さんからこんなことを言われた。「ものがはっきり見えだしたといって、読書やご執筆をあまりやり過ぎないでください。レンズはしょせん"もの”にしかすぎませんから、水…

浜田晋先生の「忘れられない一人のナース」

浜田晋先生をご存知でしょうか? ご存命であれば、今年で92歳。残念ながら、8年前に他界されました。 1974年から東京の下町で精神科のクリニックを開業し、長年地域精神医療に尽力された方です。 先生のことを初めて知ったのは、私がまだ小さな農村で保健師…

第2回、ファシリテーター養成コース修了生の交流会を開催しました!

今回も好天に恵まれた昨日、神戸で第2回目の家族ケア研究所ファシリテーター養成コース修了生の交流会を開催しました。 お越しくださったのは、18名の方々。 夜行バスに揺られ、始発に飛び乗り、仲間との再会を果たしに、お越しくださいました。 皆さんのご…

成熟した人格を導く良好な人間関係とは

何ということでしょう。 12月に入ったというのに、少し動けば汗ばむような温かさ。 地域のご婦人たちは皆、 「いや~、ぬくうてなんや気持ち悪いなぁ。長いことここに居てるけど、こんなぬくい冬は生まれてはじめてやでぇ・・」と口々に言い合っています。 …

交流会という名の自助グループ

今日から12月ですね。 年々、月日が経つのが早く感じられ、それはもう怖いほど。 「ああ、一生では足りない・・」 何といっても、「今日という日が一番若い」のですから、一日一日を大切にしなければと今更ながら思う今日この頃です。 さてさて、先月、前家…