ケアする人をケアする

介護・育児中のご家族、それを支える専門職、そんな「誰かをケアする人」のケアを考えます。

お詫びとお知らせ、そして感謝

みなさま、本当にご無沙汰しております。 思えば、2月末から2か月半も音沙汰なしのこのブログ。 ご心配をいただいた方がいらっしゃるかも知れません。 本当に申し訳けありませんでした。 ご報告が遅れましたが、 「ケアする人をケアする」というコンセプト…

「渡辺式」家族看護研究会in関西 第1回目開催しました!

皆さま、長らくお待たせいたしました! 2月23日(土)に、ついに「渡辺式」家族看護研究会in関西の、記念すべき第1回、事例検討会が滋賀県立総合病院で開催されました。 当日は、素晴らしい晴天に恵まれ、大勢の方がご参集。 遠くは、なんと福岡県から駆け…

「渡辺式」家族看護研究会設立総会&4月開催のケアケアの会のお知らせ

本ブログでお知らせしておりました4月20日(土)開催のケアケアの会の詳細が決まりました。 実は、このたび、金沢大学医薬保健学域保健学類 柳原清子先生を会長、家族ケア研究所 渡辺裕子を副会長とする「渡辺式」家族看護研究会が発足の運びとなりました。…

老親のサポートに果たす家族の役割

誤嚥性肺炎からは回復したものの、以前のようにサービス付き高齢者住宅での一人暮らしが難しくなった父。 その父の次の生活の場所を探して引っ越し、生活が落ち着くまでのサポートを果たして一昨日自宅へ戻りました。 皆さんは、介護という言葉からどんな行…

90歳、ケアスタッフに向けた私のトリセツ

昨日のブログで、もしも自分が高齢者ケア施設に入ったらどんなケアを受けたいかを考えてみました。 そうそう、あれもこれも・・。 考えているうちに、私自身、かなり高い確率で高齢者ケア施設にお世話になるのではないかと思えてきました。 「自宅で最期を」…

もしも自分が、高齢者ケア施設で最晩年の時を過ごすとしたら

今朝、市原悦子さん、梅原猛さん、お二人の訃報が飛び込んできました。 両親ともに高齢者ケア施設で暮らす今、自分自身の人生の最晩年についても考えるようになりました。 もしも自分が、高齢者ケア施設で人生の締めくくりの時を過ごすとしたら、どんな時間…

「モノ」は人を幸せにしないー老親の荷物の片付けで思う

今年、初めての更新です。 新年のご挨拶というのも何やら恥ずかしいのですが、どうぞ今後ともよろしくお願い致します。 さて、なかなか更新できなかったのは・・。 昨年12月に父が入院。 退院後には、高齢者サービス付き住宅での一人暮らしは難しく、 ・新し…

相手の強い感情、言葉に怯みそうになるとき

調べもののために少し前の雑誌のページをめくっていたら、訪問看護師さんが書かれた記事に目がとまりました。 「あんたたちが来たってやっぱり何かあれば救急車よ」「看護師に何ができる?」「血圧を測って僕の何がわかるの」「お金かかるんでしょ」「俺のつ…

「家族看護」という言葉をご存知でしょうか?

「家族看護」という言葉をお聞きになったことがありますか? 「家族看護」とは、病気や障害とともに生きる当事者(患者さん)だけではなく、有形無形の影響を受けて支援を必要としているご家族を、「ご本人とともに丸ごとサポートしていきましょう」という考…

メッセンジャーナースをご存知でしょうか?

以前、乳がんを体験した友人が、主治医との関係にとても悩んでいました。 乳がんという診断に驚き、戸惑い、ただ、「温存できる」という医師の言葉に救われ受けた手術。 しかし術後、彼女は打ちのめされました。 ハーフサイズになってしまった不揃いな胸がど…

ケアする人のケアの会からのお知らせ

「ケアする人のケアの会」より、来年上半期の以下のようなイベントを告知させていただきます。 ①渡辺式事例検討会in関西 日時:2月23日(土) 午後 場所:滋賀県立総合病院 懇親会あり 主催:「渡辺式」家族看護研究会関西支部 会長 松本修一(家族支援CNS…

ダブルバインドをどう生きるか

昨日のブログ記事で、若いナースのコミュニケーション能力が低下したと認識されている背景、ダブルバインドについて書きました。 つまり、ナースが働く組織のなかでも、「仕事を効率化し、残業はしない」と指導される一方で、「患者さん・家族とはしっかりと…

若いナースのコミュニケーション能力は低下しているのだろうか?

ここ数年、ナースの教育担当者から、「若いナースのコミュニケーション能力が年々低くなっている」という声をよく耳にするようになりました。 まず今どきの若者は、患者さんや家族と当たり前の世間話をすることが難しく、何かにつけて今一歩の踏み込みが足ら…

医師のバーンアウト

もう、40年近く前のこと。 看護師の国家試験に合格したその年、私は学校に通いながら看護師の夜勤のアルバイトを始めました。 当時は、ナースステーションではなく、「看護婦詰め所」。 その詰め所でのこんな会話を、今でもはっき覚えています。 「〇号室の…

看護師と医師との関係性

昨日、親戚のお見舞いに行ってきました。 患者さんは90歳。 10日前に誤嚥性肺炎で倒れ、救急搬送されたそうです。 1週間というもの、38度後半の熱が続き、酸素を吸入しつつ点滴やモニターにつながれる日々。 一時は、危険な状態と伝えられ、家族が病室に呼…

ケアする人こそケアされなければならないと痛感した日

昨日、父が入院する前に生活していたサービス付き高齢者住宅に立ち寄りました。 用事を済ませ、ホールでエレベーターを待っていると、80歳代後半と思しきご婦人が話しかけてきました。 「私、まだお食事いただいていないんですけど・・」 白髪のその人は、本…

良いナースのひとつの条件

前回に引き続き、浜田晋先生のご著書から。 白内障の手術をしてくださった、まだ若い女医さんからこんなことを言われた。「ものがはっきり見えだしたといって、読書やご執筆をあまりやり過ぎないでください。レンズはしょせん"もの”にしかすぎませんから、水…

浜田晋先生の「忘れられない一人のナース」

浜田晋先生をご存知でしょうか? ご存命であれば、今年で92歳。残念ながら、8年前に他界されました。 1974年から東京の下町で精神科のクリニックを開業し、長年地域精神医療に尽力された方です。 先生のことを初めて知ったのは、私がまだ小さな農村で保健師…

第2回、ファシリテーター養成コース修了生の交流会を開催しました!

今回も好天に恵まれた昨日、神戸で第2回目の家族ケア研究所ファシリテーター養成コース修了生の交流会を開催しました。 お越しくださったのは、18名の方々。 夜行バスに揺られ、始発に飛び乗り、仲間との再会を果たしに、お越しくださいました。 皆さんのご…

成熟した人格を導く良好な人間関係とは

何ということでしょう。 12月に入ったというのに、少し動けば汗ばむような温かさ。 地域のご婦人たちは皆、 「いや~、ぬくうてなんや気持ち悪いなぁ。長いことここに居てるけど、こんなぬくい冬は生まれてはじめてやでぇ・・」と口々に言い合っています。 …

交流会という名の自助グループ

今日から12月ですね。 年々、月日が経つのが早く感じられ、それはもう怖いほど。 「ああ、一生では足りない・・」 何といっても、「今日という日が一番若い」のですから、一日一日を大切にしなければと今更ながら思う今日この頃です。 さてさて、先月、前家…

看護師よ、街に出よう!

昨日、実家から戻り、まずは近くのスーパーで買い物をと出かけたところ、駐車場で友人のAさんに声をかけられました。 Aさんの87歳になるお父さまが体調を崩し、ここ3日ほど食欲が落ちているのだけれど、どんなものを食べさせたらいいのだろうかというご相談…

「考える」ことから離れればやり甲斐や達成感からも遠ざかる

ここ数日、朝晩の冷え込みが厳しくなり、急に秋が深まってきました。 そして、老親の老いがさらに進み、実家通いの日々を過ごしています。 さてさて、「老い」といえば、「世界の小澤」と称されたマエストロ、小澤征爾さんも、御年83歳。 74歳で受けた食道の…

「POOマイスター」の取り組みに学ぶシステムづくりのヒント

出版されたばかりの一冊の雑誌に目が留まりました。 それは、コミュニティケア 2018年11月臨時増刊号。 「地域包括的排便ケア」にチャレンジ! 気持ちよく出す!「おまかせうんチッチ」 排便ケアの質を向上させる というタイトルです。 「地域包括的排便ケア…

「困った場面課題解決シート」新たなガイドラインを作ります。

渡辺式家族アセスメント/支援モデルによる「困った場面課題解決シート」。 世に送り出して7年が経ちました。 特に、ご本人と他の家族成員、あるいは援助者との間の関係性に解決すべき課題があるような事例の援助方策を見出すツールとしてご活用いただいてき…

改めて考える「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」の秘密

先日、前家族ケア研究所のファシリテーター養成コースで学んだ皆さんが集まり、交流会を開催したことは、このブログでもお伝えしました。 その交流会に参加してくださった方が、当日の感想をこのように語ってくださいました。 「久々に自分達が初めて家族看…

疲れた身体にしみじみとその美味しさが沁みてくる。「大根と豚肉の炒め煮」

何だか気温が急降下。 昨日は一日中どんよりとした曇り空で、あたたかいものが欲しくなった月曜日でした。 今日も、やはり気温は低めとか。 こんな日は、素朴な「大根と豚肉の炒め煮」はいかがでしょう。 この大根と豚肉の炒め煮、とにかく、とにかく大根の…

ときにはスケールの大きな話しをしよう!

昨日は、地元で月1度開催される里山のお掃除の日。 ふるさとの自然を愛してやまない若きリーダーたちが中心となって立ちあげたボランティア団体に参加させていただいてから4年余り。 中心となって活動しているのは、30代の3人のお子さんのお母さん。 彼女…

漁師町のマダムから学ぶ「患者と医師」との関係性

11月も中旬に差し掛かろうとしているというのに、日中、少し動けば汗ばむような暖かさ。 当地では、「なんや温うて、気持ち悪いなぁー」 そんな言葉が挨拶がわりになっています。 昨日の、地元の「美人の湯」を売り物にする温泉でのヒトコマ。 週に数回利用…

ああ、里芋の優しさよ。あっさり、ほっこり、にっこりの「里芋と鶏肉のクリームシチュー」

一番大事な命の根本は「食べること」。 このブログでは、ケアする人の身体と心の栄養になるそんな一品をご紹介します。 第1回目は、「里芋と鶏肉のクリームシチュー」です。 今年は、秋の訪れが何だかゆっくり。 それでも、朝晩の冷え込みが感じられるよう…